沢木耕太郎 「檀」を読んだ

檀 (新潮文庫)
檀 (新潮文庫)

posted with amazlet on 08.02.21
沢木 耕太郎
新潮社 (2000/07)
売り上げランキング: 50025
おすすめ度の平均: 4.5

5 檀一雄という人
3 男臭い。
4 面白いけど・・・

身の回りで檀一雄が話題なので読んでみたのである。

檀一雄よりも、沢木さんはずるいなぁ、かっこよすぎるなぁ、という感想になってしまった。本書に沢木さんは登場しないのだけれど、4年間かけて毎週インタビューして、そのインタビュイーのモノローグとして仕立てるあたり。ドキュメントのような、小説のような、ふしぎな空気が流れる。

しかし、「火宅の人」ほか、壇作品を読まずして本書に着手したのは失敗だったかもしれない。

「東京オリンピック」市川崑が亡くなった

昨年末、市川崑「東京オリンピック」を見て、そろそろその感想を書こうかとしていた矢先、氏が亡くなった。

10年くらい前だったと思うが、何かのイベントでbunkamuraで、市川崑「東京オリンピック」が上映されるというので観に行った。上映前には阿川佐和子・市川崑の対談が組まれていた。

その対談では、テキパキする阿川さんと対照的に、当時からかなりおじいちゃんだったが、なんだかのらりくらりな市川さんから、良い意味の脱力感が伝わってきた。でも話している内容はとても刺激的だった。

なにせオリンピック。試合はやりなおしなしの一発勝負だから、撮影も一発勝負。取り直しは全く利かない。入念なロケハンとシナリオ作りをおこなったという。かなりの人数のカメラマンを雇って、あちこちの会場で行われる試合を撮影していった。予算上、人数やフィルムもギリギリで、不確定要素を多く抱えながらのプロジェクトだったそうだ。

それでいてあの完成度。おおきな仕事をしている人はいるね。

もう言い古されているが、最も印象的なのは、オープニングの建物を壊すシーン。この映画は、スポーツ以上の要素、大きく言えば文化とか文明とかを扱っているのだ。あと(またしても体操だけど)遠藤幸一さんや小野さんの演技の映像が見れたのもよかった。淡々と映像が流れて行って、あぁ、人間が動くさまって美しいなと思わされる。

東京オリンピック
東京オリンピック

posted with amazlet on 07.11.23
東宝 (2004/06/25)
売り上げランキング: 3768
おすすめ度の平均: 5.0

4 国民が誇れる記録映画の傑作
5 金字塔
5 ゆっくり流れる悠久の時間を生きる人々が素晴らしい。

JOC – 東京オリンピック 1964に撮影当時のようすを市川さんが語るインタビュー記事がある。そもそもが黒澤明が断ったあとのピンチヒッターだったとのこと。

杉原 輝雄「生涯現役―いつまでも動ける体と心の作り方」を読んだ

神田のブックファーストでふと手にとった本書だが、ぱらっとめくって「えっ?杉原輝雄が加圧トレーニング歴10年?」と思ったのが購入の最大の動機。

読んでみると(さーっと読めてしまうのだが)「こんなじいちゃんが身近にいたら」いやいやもっと言うと「こんなじいちゃんになりたい」そう思わせる一冊だった。

そういえば、子供の頃、日曜日の夕方は大抵、テレビでゴルフを見ていた。当時は尾崎兄弟、中島全盛の時代だったわけだが、そのなかで子供心に、他の人とちょっと違う厳しさを感じていたのが杉原輝雄という人だった。

「勝ってもグリーンで歯を見せて笑うな」と若手に言ったとか(真偽不明)。確かにご本人はいつも険しい表情だった。

ところが本書を読むと、関西弁のけっこうひょうきんなおっちゃんという感じなのが意外だった。とはいえ、

  • 70歳になっても現役にこだわる最大のモチベーションは「金を稼ぎたい」
  • 加圧トレーニングを始めてすでに10年
  • 朝4時起き(マ、これは普通か)
  • アガリクス/ウコン/マカ/ブルーベリーなど各種サプリメント常用

など、勝負と健康には並々ならぬ執着の持ち主。こんなじいちゃんになりたい。

生涯現役―いつまでも動ける体と心の作り方 (角川SSC新書 28)
杉原 輝雄
角川・エス・エス・コミュニケーションズ (2008/02)
売り上げランキング: 89518

建築とwebのこのごろ

Fire Destroys UN Studio’s Villa NMを読んで、そうかVillaNMがー燃えちゃったかーと思ったり。

市民のための市役所を、つくっています。市庁舎現場レポートや、(仮称)ナミックス・テクノコア ナミックス+山本理顕設計工場をときどきチェックしながら、有名プロジェクトの進行状況を現在進行形で読めるなんて、良い時代だなーと思ったり。

あと、本屋で見かけた「川合健二マニュアル」という本が気になったり。

体操、北京オリンピックは8月9日〜19日

見に行きたいなー行きたいなー。

予想としては、団体・個人ともに間違いなく中国が金メダル。もう、大げさにいえば、国力を尽くして狙ってくるだろう。そして結果も出すだろう。

で、体操ファンとしては(もちろん日本の選手を応援しつつも)中国選手の完璧な演技を見てみたい。それは国境を越えて、人類の到達できる最も遠い所をみたい、という気持ち。

しかし、そういいながらも、中国の選手の演技をみても満足しないだろうなと予想はついている。いまの体操競技は発達しすぎていて、人間の肉体の限界にかなり近い。床の4回宙返りはできない。

さらにいうと、採点ルール的にも、体力勝負的な要素があって、1つ世界で誰もできない技をやるよりは、5個の世界レベルだがみんなできる技を高いクオリティーで実施する方が、点数がでる。

簡単にいうと、新技がもうなかなか出てこないわけ。

でも生で見たい。北京で。

コマネチ 若きアスリートへの手紙
ナディア コマネチ Nadia Comaneci 鈴木 淑美
青土社 (2004/08)
売り上げランキング: 87665
おすすめ度の平均: 5.0

5 知られざる世界
5 私ならどんな手紙を送るだろうか
5 コマネチというのはすごい女性だということが実感できる

塚原家の金メダル
塚原家の金メダル

posted with amazlet on 08.02.06
塚原 千恵子
新潮社 (2005/04/21)
売り上げランキング: 409285

体操、北京オリンピック代表選考会(2次)は4月12、13日、代々木で

とっくに既報だが、国立代々木第一体育館にて4月12、13の日程で開催されるとのこと。

最終選考会の緊張感も目撃したいところだが開催場所が岡山とのことなので行けないかも。ということで、2次選考会の代々木はmust goである。

既に一緒に目撃したいという声が、まわりの体操観戦初心者からあがってもいる。

といっても最終選考かもGW期か。観戦するに不可能ではないな。

2月8日はJ sports ESPNで、水鳥寿思選手特集

久々に体操情報。水鳥選手の特集。たった30分でも貴重である。

みなとケーブルに加入していて本当によかったなーと思う瞬間。(加入のきっかけは東京タワーのふもとだから電波障害があるとのことで、港区が助成していたからなのだけれど)(さらに正確にいうと、その情報を妻が見つけてきて、加入していたということなのだけれど)

以下、体操協会のサイトから引用。

北京五輪1次選考会となる第61回全日本前から取材。水鳥が体操の道を歩み始めた水鳥体操館での取材やご両親、米田選手らのインタビューから水鳥の〝原点〟 そして、〝今〟をクローズアップ。

下記、番組のサイトでは、予告動画が閲覧できる(2008年2月5日時点)。

Movin’you.Honda

立て続けに「阿久悠」本を攻める

「”夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代」は「スター誕生」に関わった10年を自ら文章にしたもの。森昌子・桜田淳子・岩崎宏美・ピンクレディーなど、自分がテレビを見るようになったころ既にスターだった人が世に出てくるエピソードが、阿久さんという、彼らを選ぶ側の視点で文章になっているわけだが、そのエピソードを読んで、へぇあの人がそうだったのかぁ、という感想よりも、自分が自意識に目覚めるほんのすこし前の時代の空気を感じたというほうが正しいかもしれない。

夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代 (文春文庫 あ 8-5)
阿久 悠
文藝春秋 (2007/12/06)
売り上げランキング: 21044
おすすめ度の平均: 4.0

4 阿久悠ならではの当事者ドキュメント

2冊目。「愛すべき名歌たち」は昭和という時代の一曲一曲をテーマに、阿久さんのエッセイが展開されるわけだが、これはまぁ私にとってカラオケの歌本(と妻に指摘された)。確かに本書のページを開いては「はぁーこんな歌もありましたねぇ」と微笑んでいるのである。

愛すべき名歌たち (岩波新書)
阿久 悠
岩波書店 (1999/07)
売り上げランキング: 91775
おすすめ度の平均: 4.5

5 阿久悠が語る昭和歌謡曲への思い
4 歌の歴史に人生を重ねる

極めつけは「生きっぱなしの記」。他の阿久悠さんの本とかぶるエピソードもあるが、当然一番まとまっている。

生きっぱなしの記 (日経ビジネス人文庫 オレンジ あ 1-1 私の履歴書)
阿久 悠
日本経済新聞出版社 (2007/12/03)
売り上げランキング: 34876
おすすめ度の平均: 5.0

5 時代という言葉を愛した人
5 なかなか面白く、価格的にも手ごろな一冊。

さすがに読みすぎたか。いったん気になると立て続けに買って読んでしまうクセがときどきでるのだ。かつては安部公房、松本清張など。でも今回は自伝だしね。さすがにエピソードが重複してくるよ。でも後悔はない。

阿久さんは、自ら、生涯で何度か人生を変える人との出会いがあったと書いている。これらを読んでいて、そのことが最も印象的だったのである。

松山千春「足寄より」を読んだ

相変わらず、自伝・伝記のたぐいを読み続けている。

で、松山千春である。ちょっと昔に、彼が自分の歌や歌声について誰にも負けないと語っている姿をテレビで目にした。そこまで言えるのかと思ったものだ。もちろん、歌はうまい。うまいなんて言うのは憚られるほど。そして私の好きな声。私のiTunesには彼のベスト盤が当然入っている。

私は「実力あるビッグマウス」が好きなのだ。実力があってもなくても私はビッグマウスというのはとてもできない。だから憧れてしまう。

いま伝記読書ブームの私であるからして、そんな彼の自伝はないか、もしあるならどんなものだろうと気になるもの。探してみると、かろうじて一冊あった。いや、ふつう、自伝は一冊か。

足寄より
足寄より

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松山 千春
扶桑社 (2006/06)
売り上げランキング: 102116
おすすめ度の平均: 5.0

5 知らなかった
5 最終章では妻と二人で思わず・・・。
5 千春のすべてがわかる!

この「足寄より」は23歳にしてすでに人気絶頂にある時代に自らの生い立ちについて綴ったものをデビュー30周年を記念して再発行するついでに、いまの彼がもういちどその本について自分について文章を追加したというもの。追加した方の文章量は決して多くないけれど、23歳の自分の文章についても言及していて、その比較も味わえる一冊。

で、全体としてどうだったかというと、これまで抱いていたイメージを良い意味で裏切られた。さらに好きになった。

自伝としての読み応えは十分。23歳の彼の生い立ちも濃密でものすごいのだけれど、とにかくまわりの人に感謝している。それが、少し意外であると同時に、とてもよかった。特に、デビューのきっかけを作ってくれた人に感謝している。一冊を通じて(つまり23歳も今も)とても謙虚。そこに清々しさを感じた。そして故郷・北海道足寄への熱い思い。家族への思い。自分の立ち位置を見失わないようにしているんだなと思った。示唆ある一冊だった。

ちなみに松山千春といえば「SAGA」「月間松山」だけどさすがにまだそこには手をつけない。出し続けているのか、すごいな。

月刊松山「捨石」 vol.5(2008FEB.) (5)
松山 千春
アスコム (2008/01/19)
売り上げランキング: 859