「時計じかけのオレンジ 完全版」を読んで

時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1) (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
アントニイ・バージェス
早川書房
売り上げランキング: 1909

アメリカで出版されるときに削除された最終章を含めた「完全版」。キューブリックは脚本を書き上げるころ、最終章の存在を知ったというが、その内容が「納得いかない」ものとして、そのまま最終章なしの状態で映画化したという。これに対して、著者バージェスは最終章なしで出版されたことや、その映画化された内容に違和感を覚えていたというが、とくに積極的な行動はおこさなかったという。

キューブリックの映画をもう何度も見ているから、本書を読むと、キューブリックの映像が脳裏に浮かんできて仕方ない。言い換えると、驚くのだ、キューブリックの映画が本書にかなり忠実だということに。

問題の最終章だが、一言でいえば、アレックスが落ち着くかも?という展開だ。結婚という話題が浮上するのだ。そしてアレックスは、自らが親になることを想像し、やがて生まれるであろう息子が自分とおなじように暴力に手を染めるだろうと示唆する。暴力の循環が世代を超えておきる。一方、最終章なしの場合は、アレックスは復活しアレックスのなかで暴力が循環する。読後感は大きく違うが、どちらも暴力の循環ということでは共通している。

最終章を巡る顛末自体が物語に深みを与えていると感じた。

ジョン・B・チョッパー「父子手帖」を読んで

子供を授かり育てる。親は「親」初心者。子は「子供」初心者。

家族で暮らしていくことは、世の中、家族だらけだから一見ふつうのこと。だけど、ふつうのことをふつうにすすめていくために、みんなふつうにがんばっている(んだと思う)。

淡々と、平凡に、ふつうに暮らして行ければ、それでいいと思う。本書を読んであらためてそんなことを考えた。

父子手帖
父子手帖

posted with amazlet at 08.09.10
ジョン・B・チョッパー
ビジネス社
売り上げランキング: 1952
おすすめ度の平均: 5.0

5 子供っていいな

Apple Time Capsule導入

自宅ネット環境をワイヤレスに変更。机以外の場所でも仕事ができる。速度に違和感はなし。快適。

Macはすぐつながったけど、WindowsがTIme Capsuleを認識するまでになぜかしばらく時間がかかった。しばらくつながらず、あれこれしてほっといたら半日後くらいにやっと認識した。だからMac>Winだと言うつもりはないが。

銀座AppleStoreで定価で購入したけど、amazonで買えば、定価より3000円以上も安いね(10%引き)。

Apple Time Capsule 500GB MB276J/A
アップルコンピュータ (2008-02-29)
売り上げランキング: 1666
おすすめ度の平均: 4.5

5 今まで購入を考えていましたが…これは異常に凄い!
4 願わくば…。
5 テクノロジーの魔法

アップをアップ

up.jpg

「ハウスクリーニングのアップ」さんのサイトを制作。コピー、写真、デザイン、コーディングを担当。テーマとしては透過PNGとか、ぱっとわかりやすいサイトに、とか。

ハウスクリーニングのアップ

写真素材撮影もかねて、実際にアップさんに自宅のお掃除をお願いした。猛暑のなか熱心に掃除していただいた。エアコン内部の掃除をしてもらったら、真っ黒な液体がどんどん出てきた。子供がぜんそく気味&アレルギー気味なので、いままでエアコンをほとんどかけずにいたが(以前、1度つけたらゴホゴホになった)これでドライをかけられるのがうれしい。

(ちなみにエアコンの掃除は、電気系統をさけてやらなければならなくてリスクがあるとのこと。我が家は掃除後も問題なく動作している)

平松 剛「磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ」を読んだ

忙しくなると本を読む、ないし本の感想を書くという習性があるようだ。部屋を掃除したり、パソコンに入ってるデータを整理したり。

で、この夏のおすすめの一冊である。

磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ
平松 剛
文藝春秋
売り上げランキング: 1509
おすすめ度の平均: 5.0

5 歴史に埋もれる前に。
5 知られざる過去と事件と人脈へ
5 権力者とアナーキスト
5 新宿の都庁を通していろんなことがわかる本

新都庁舎のコンペを軸に、磯崎アトリエの当時のスタッフたちの声を積み上げて、磯崎さんの建築に向かう姿をあぶり出す一冊。

実名で登場するスタッフが、磯崎さん側4人くらいに対して、丹下事務所1人と、対等ではないのでは?という指摘もどこかで読んだけれど、都庁コンペに臨む磯崎さん、丹下さんに対する磯崎さんを描いているのだからいいのでは?と思った。本書では、丹下さんのことを磯崎さんが語っているし、対等ではない。コンペにおける2人の対決!というよりは磯崎さんを描いた本だ。

読み応えある質と量。でもスイーッと読んでしまう。

伏線として、磯崎さんの生い立ちや、丹下さんと岸田日出刀さんとの関係、伝統論について、大阪万博を生み出す様相、廃墟論について、など(戦前もすこし入ってるが)戦後日本建築の歴史のトピックもうまく練り込んである。すべての要素がつながっていて、うまい構成だと思う。

そういえば本人よりも周辺の人の言葉をベースに本人をあぶり出す手法は、同じ著者による「光の教会ー安藤忠雄の現場」にも共通していたように思う。

光の教会―安藤忠雄の現場
平松 剛
建築資料研究社
売り上げランキング: 5906
おすすめ度の平均: 4.5

5 建築の醍醐味を味わえる作品です。
5 名書
4 安藤忠雄のすごさとやさしさ
4 モノづくりと商売のはざまに立つ人々
5 2007年の人になりつつありますね

それにしても、青木淳さんの磯崎さんを怖がるお茶目な感じは新鮮だった。直接面識はないけれど。大学の設計の講義では、前の年に青木淳さんが担当されていて、その教え方のうまさは友人から聞いていたし、そもそも青木淳さんの卒業設計の着想はもう想像もつかないものだったし、スタッフは4年で卒業というアトリエのスタイルも独特(最近変わったらしいが)だし。

磯崎アトリエ時代のようすは、最近公開されたCOM-ET Home > 淵上正幸のアーキテクト訪問記 >青木淳氏に切り込むでも描かれている。この文章からは、ビッグプロジェクトを獲得していくのも縁と偶然だったみたいな印象をうけたけれど、それも実力だよなと。

どんどん脱線したけれど、2冊ともおすすめである。